都庁職(東京都庁職員労働組合公式サイト)

伊ヶ谷地区海上より見る三宅島
伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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見解
 

2007賃金確定闘争「妥結」に関わる都庁職の見解と態度

2007年11月15日
都庁職執行委員会

1.はじめに
(1)2007賃金確定闘争は、@「2007年賃金・労働条件改善に関する要求」に基づく賃金引上げを勝ち取ること、A現業賃金の引下げを阻止し、現業の任用・給与制度の改善を図ること、B勤勉手当の成績率の拡大を許さず、人事考課制度を労使協議事項とすること、C再雇用制度廃止提案の撤回と高齢者雇用制度の充実を図ること、D労働時間短縮を実現し、休憩時間問題の解消を図ること、E地域手当に関する要求、島しょに関する要求、福祉関連要求など都労連諸要求を実現すること、F教員への職の分化、給料表の改悪を阻止すること、G「労使交渉・合意による自主的解決」を都当局に遵守させることなどの課題が中心となって取り組まれました。

(2)2007年賃金確定闘争は、春闘期から取り組みが開始され、3月29日の都労連小委員会交渉において、「引き続き協議事項」が整理されました。都当局は、「とりわけ強く問題意識もっている課題」として、@休息・休憩時間見直しについてA病気休暇・休職制度B現業系職員の任用給与制度C再任用・再雇用制度の4点について言及しました。
 夏季一時金要求の前段から、都労連賃金闘争は、国の総人件費削減や公務員バッシングの攻撃の中で、労使交渉、労使合意による自主決着をめざした取り組みとなり、「休息・休憩時間見直し」問題を前哨戦としてスタートしました。

2.2007年賃金闘争の主な経過について
(1)都労連は、3月8日に団体交渉を行い、基本賃金平均19,000円以上の引き上げなどの「2007年賃金・労働条件に関する要求」を提出しました。
 また、同日に都人事委員会に対し、「2007年人事委員会勧告作業に関する要請書」を提出しました。
 そして、都庁職は、3月8日、都庁職は東京都人事委員会に対して、07年賃金闘争での最初の要請行動を実施し、勧告作業に関する要請書を提出しました。
 3月9日、都庁職は前日の東京都人事委員会要講に続いて、都当局に対し、「07年賃金・労働条件改善に関する要求書」を提出しました。

(2)3月29日(木)の都労連小委員会交渉において、「引き続き協議事項」が整理され、都当局は、「とりわけ強く問題意識もっている課題」として、@「休息・休憩時間見直し」について、平成19年度の早い時期に結論が得られるように引き続き協議とする。A病気休暇・休職について、早い時期に結論が得られるよう議論を深めたい。B現業系職員の任用給与制度については、平成19年度の給与改定交渉期までに解決する課題として確認しており、一貫して業務職給料表の水準が国と比べて2割以上高いことに強い問題意識を持っている。任用制度についても、職員数の大幅な減少や職級別の構成比の変化等を踏まえた上で、そのあり方について検討の必要がある。C再任用・再雇用制度について、できるだけ速やかに再雇用制度の抜本的見直しに関する考え方を示し協議したいと言及しました。
 都労連は、反対の立場を明確にして全面的に反論し、現業賃金給与制度に関して、国との違いを明確にし、労使合同での現場調査の実施を強く求めました。

(3)4月19日(木)の専門委員会交渉で、都当局は、労使合同での現場調査の実施を了解しましたが、総務省の動向を説明して、現業の給与水準に関して厳しい情勢が予想されると言及し、「休息・休憩時間見直し」について、「何としても次期第2回都議会定例会には改正案を上程できるよう解決を図りたい」と都側の決意を表明しました。また、再任用・再雇用制度について、「できる限り速やかに、再雇用制度に関する考え方」を示し、議論したいと言及しました。

(4)都労連は、4月23日(月)に単組書記長会議を開催し、当面の対応を確認し、4月25日(水)に、都人事委員会に対して、「給与水準引き下げ反対。比較企業規模を従来通りに戻すよう申し入れました。
 そして、4月26日(木)の専門委員会・小委員会交渉で、都労連は、再雇用制度の廃止に反対を表明しましたが、都当局は、再任用・再雇用制度について、「退職後の継続雇用は再任用制度に一本化」を内容とする「再雇用制度の見直しに係る基本的な考え方」を示してきました。

<再雇用制度の見直しに係る基本的な考え方>
1.見直しの背景
(1)平成19年度末から本格化する大量退職により、大幅なマンパワー不足に直面
(2)今後の雇用情勢を考えると、新規採用の大幅な拡大は困難
(3)一方で、職の性格等から、再雇用では常勤職員の職務を担うことが不可能
(4)今後は、定年前と同様の本格的な職務に従事する「再任用職員」の活用が不可欠
2.見直しの方向性
(1)「再任用制度」を基本とした継続雇用
〇退職後の継続雇用は、今後、「再任用制度」に一本化
○再雇用は、再任用可能期間終了後、満65歳に達する年度の年度末までの間に限って任用(月16日勤務のみ)
(2)勧奨退職者の取扱
○勧奨退職後の再雇用は、満60歳に達する年度の年度末までの間に限って任用(月16日勤務のみ)
3.見直し時期
平成20年4月1日から原則適用


(5)5月10日(木)小委員会交渉において、都労連は「一時金の支給対象・割合・加算制度の改善要求」「2007年度夏季休暇の改善要求」を提出し、「休息・休憩時間見直し提案」の撤回、実質勤務時間の延長反対、職員の生活実態を受けとめるよう主張し、「休息時間・休憩時間の見直し」に関して、「提案」を撤回することを強く求め、都労連各単組の職場代表を含む要請を受けるよう申し入れました。
 5月17日(木)に、休息・休憩時間見直しで総務局要請行動を実施し、都側は、「要請は貴重なご意見として真摯にお聞きした。残された時間はわずかだが、労使の信頼関係を踏まえて考えさせていただく。引き続き都労連と十分協議し、解決を図る。」と回答しました。
 5月18日(金)、5月28日(月)と事務折衝を行いました。5月28日の事務折衝では、都側は「・・・都を取り巻く諸状況は厳しいものがあり、2定において議会に説明できなければ、議会対応が困難になり、重大な局面を迎えざるを得ない。・・・労使の信頼関係にもとづいて協議を尽くすという基本的な考え方のもと、2定に上程することについては再考したい。ただし、2定において議会から問われても対応できるよう、少なくとも2定の開会時期までに何としても解決を図リたいので、都労連としても協議を尽くしていただきたい。」と回答してきました。

(6)5月31日(木)の団体交渉で、都労連は「夏季一時金2.5月要求」を行うと共に、休息・休憩時間見直し案撤回を求めました。
 同日に各単組書記長による人・勤両部長要請行動を実施し、6月1日(金)に事務折衝、戦術委員会、6月4日(月)の午前・午後に事務折衝、戦術委員会を行い、「労使の主張の整理」が行われました。
 6月5日(火)の都労連小委員会交渉において、都労連は、「時短・休暇制度」「福祉関連」「男女平等」「セク・ハラ防止対策」の4要求書を提出し、勤務時間延長、主任教諭等設置(教員の「職の分化に関する考え方」は、教諭、校長の職をそれぞれ2つに分化し、「主任教諭」「統括校長」を新たな職として設置し、平成20年4月から任用を開始する予定との考え方)反対を主張しました。

(7)「休息・休憩時間問題」に関した交渉が本格化し、6月6日(水)都労連事務折衝、6月7日(木)戦術会議、6月8日(金)に専門委員会が行われ、「休息・休憩時間に関した検討結果の修正案」は、都側当初提案(2006年10月31日)に「休息時間を廃止し、休憩時間を60分にする」提案)に国の特例を付加し、実施時期を2007年10月1日としたものであり、この間の要請や協議を一切無視した内容となっています。
 都労連は、6月11日に都労連常駐部による人・勤両部長への要請行動を、6月12日に都労連常駐部による総務局長への要請行動を実施し、提案を撤回し、納得のいく解決案を示すよう求めました。総務局長は、「一刻の猶予もない状況であるが、労使協議により解決を図る考えに変わりはない。解決に向けて、ギリギリの検討を行う」と回答し、要請を終了しました。
 6月13日11時30分すぎに都労連に対して「最終案」が示されました。都労連は、「最終案」を容認できないという立場を確認し、再度交渉3責任者による総務局長要請を実施し、都労連は最終交渉と位置付けて、人事部長・勤労部長要請を実施しました。
 都当局は、本庁と事業所を分断する提案に固執し、国や他団体の状況や総務省の準則指導(休憩時間60分)、都議会の動向などを理由にした都当局の対応は不誠実極まりないものであり、都労連はギリギリの所まで本庁と事業所を分断する提案の撤回を求めました。
 このような状況を受けて、都労連戦術委員会は、特に本庁と事業所を分断した提案を撤回しない都当局の姿勢に対し抗議すると共に、都人事委員会による時間短縮勧告や確定期の時短要求の実現に向けて引き続き運動を展開していくことを確認し、現時点のギリギリの到達点として受け入れていくことを都労連各単組代表者会議に提案を行いました。

▼「休息時間・休憩時間の見直し」(6月14日)
(1)休息時間 廃止する。
(2)休憩時間 @原則  勤務時間が6時間越える場合は、45分とする。
 勤務時間が8時間越える場合は、1時間以上とする。
  A新宿本庁舎(第1庁舎、第2庁舎、議会棟に勤務する職員)
     勤務時間が6時間越える場合は、1時間とする。
 勤務時間が8時間越える場合は、1時間以上とする。
 なお、新宿本庁舎に勤務し、次に掲げる事由に該当する職員から申出があり、かつ、公務の運営に支障がないと認められる場合には、原則により取り扱うこととする。
  (該当事由)
a.小学校就学の始期に達するまでの子のある職員が当該子を養育する場合
b.小学校に就学している子のある職員が当該子を送迎するため、その住居以外の場所に赴く場合
c.要介護者を介護する職員が要介護者を介護する場合
d.妊娠中の女子職員が通勤に利用する交通機関の混雑が著しく、職員の健康保持及びその胎児の健全な発達を阻害するおそれがある場合
(3)交替制勤務等職員に係る経過措置
 職務の性質により特別の勤務形態によって勤務する必要のある職員の休息時間及び 休憩時間については、当分の間、なお従前の例による。
(4)実施時期  平成20年1月1日
(5)その他  再雇用職員及び専務的非常勤職員の取扱いは、正規職員に準じることとする。


 都庁職は、本庁と事業所を分断する休憩時間の格差問題は重大であり、拡大闘争委員会の判断を含め対応したい旨の態度を表明しました。待機の連続となった拡大闘争委員会、執行委員会のメンバーの意見や今後の協議を踏まえ現時点での一定の到達点として受け止め、都側の不当な対応に抗議し都労連戦術委員会の提案を確認しました。
 そして、14日14時25分から小委員会交渉が行われ、夏季休暇要求・一時金関連要求などの対する都側回答はゼロ回答があり、都労連は不満を表明し引き続き協議事項をしました。
 また、休息・休憩時間に関して、「@休息時間の廃止、A休憩時間は原則45分間、B新宿本庁舎に勤務する職員の休憩時間は1時間など」の最終提案が示され、都労連は、「@実質的な休息時間の必要性の再確認、A休憩時間は取得出来ない職場の使用者責任、B実施時期の1月1日延長、C本庁での原則適用の条件整備など」を求めギリギリの到達点し、引き続き協議を進めていくことを申し入れ、今日的に整理することを確認しました。そのことを受けて、都庁職は、6月14日の第3回本部委員会に報告し、了承を得ました(詳細については、休息・休憩時間「見直し」問題に関する都労連の到達点と労働時間短縮の継続的な取り組みに対する都庁職の態度と見解についてを参照のこと)。
 一方、夏季一時金については、同日15時からの団体交渉で、「現行の条例・規則通り、期末手当1.60月分、勤勉手当0.475月分、合計2.075月分を、再任用職員については、期末手当0.75月分、勤勉手当0.275月分、合計1.025月分を6月29日に支給」との都側回答があり、都労連は各単組に批准を求めました。都庁職は、前述の本部委員会で「妥結」批准を17時30分に確認しました。

(8)7月20日の都労連小委員会交渉において、都労連は、「現業賃金・給与制度に関する改善要求書」「高齢者雇用制度の一層の充実を求める要求書」を提出しました。都側は、「現業賃金」「再雇用制度」「教員の職の分化」に対する問題意識を表明しました。
 7月25日の都労連小委員会交渉において、都当局は、「再雇用制度の見直しについて(案)」を都労連に提案しました。

▼再雇用制度の見直しについて(案)
1.趣 旨
 大量退職に伴う大幅なマンパワー不足に対応するとともに、高齢職員の積極的活用を図っていく観点から、退職後の継続雇用制度について見直しを行う。
2.内 容
(1)平成19年度末以降の退職者の取扱い
  ア.定年退職者
   (ア)定年退職後の継続雇用は、再任用制度のみとする。
   (イ)なお、再任用可能期間終了後、満65歳に達する年度末までの間に限って、月16日勤務の再雇用で任用可能な制度とする。
  イ.勧奨退職者
   (ア)勧奨退職後の継続雇用は、満60歳に達する年度の年度末までの間に限って、月16日勤務の再雇用で任用可能な制度とする(5年間を限度)。
   (イ)また、満61歳に達する年度以降は、再任用制度のみとする(再雇用と再任用を合わせて5年間を限度)。
(2) 既に退職した者の取扱い
 上記取扱いに準じ、別紙のとおりとする。
3.実施時期
 平成20年4月1日


 7月31日に専門委員会交渉、8月1日に単組書記長・賃対部長会議が行われ8月及び9月の取り組みを確認し、8月中に都庁職は、職場決議(9月5日集約)、任命者要請行動を実施することになりました。

(9)8月8日には6年ぶりの給与引き上げとなる人事院勧告が行われ、その内容は@1,352円(0.35%)の給与引き上げ、初任給を中心に若年層に限定した給与の引き上げ、A勤勉手当を0.05月分引き上げ(0.03月分は成績率の引き上げ)、B「スタッフ職俸給表」を新設する、となっています。
 都労連は、人事院勧告を受けて、国に追随しないよう、8月10日に都人事委員会要請を実施しました。

<参考>
◎2007年人事院勧告の主な内容
【給与の改定】
 ▽官民給与の比較
1.従業員50人以上の約10,200事業所を対象に43万人の個人別給与を調査。
2.民間給与との較差・・1,352円(0.35%)
[行政職(一)現行給与383,541円 平均年齢40.7歳]
(俸給387円、地域手当560円、扶養手当350円、はね返り分55円)
3.民間ボーナス支給割合は4・51カ月分、公務員の期末・勤勉手当の4・45カ月を上回っている。
 ▽改定内容
1.俸給表・・初任給を中心に若年層に限定した改定(中高齢層は据置)。
 改定率 1級1.1%、2級0.6%、3級0.0%、4級以上改定なし。
 初任給 T種181,200円(現行179,200円)、U種172,200円(現行170,200円)、V種140,100円(現行138,400円)
2.期末・勤勉手当・・支給月数を0.05カ月分引き上げ、4.5カ月分。
 (勤勉手当を引き上げ、0.03月分を成績率引き上げに充当)。
3.扶養手当・・子等に係る支給月額を500円引上げる(6,500円に)。
4.地域手当・・今後改定分の一部繰上げ改定、本年度分として0.5%引上げ。
5.住居手当の見直しの検討。
【専門スタッフ職】
1.行政の多様化、複雑・高度化や在職期間の長期化に対応する観点から「専門スタッフ職」の給料表を2008年度から新設。
2.給料表は3級構成とし、本府省の課長補佐級から課長級の水準を基礎。
3.調査、研究等の業務を自律的に行うため、弾力的に勤務時間を設定することが適当。
【人事管理に関する報告】
1.新たな人事評価制度の導入(能力・実績に基づく人事管理の推進)。
2.専門職大学院等対応した人材確保(人材供給構造変化への対応)。
3.退職管理(高齢期の雇用・・2013(平成25)年度からの無年金問題など)
4.労働基本権問題の検討
5.職員の勤務時間は民間と均衡させることを基本に2008年度を目途に見直し。
6.その他


(10)その後、9月10日(月)に専門委員会交渉において、「新宿本庁舎に勤務する職員の休憩時間に係る新たな取扱いについて(案)」が提案され、9月12日(水)に専門委員会・小委員会交渉が行われ、「再雇用制度の見直しについて(修正案)」と「業務職給料表の見直しの基本的考え方について」とが示されました。

(11)都労連は、9月14日(金)に事務折衝を行い、都当局は、修正案で理解が得られなければ厳しい事態となると主張し、都労連は労使交渉・労使合意の解決の考え方を主張し、都当局は、専門委員会交渉で考え方を示すことを提案しました。
 そして、9月18日(火)の専門委員会交渉において、都当局は「ギリギリの検討を行った上で修正案を提示した。スケジュールの関係で再任用・再雇用選考の手続きを開始する必要がある。ご理解をいただきたい。ご理解を頂けなければ、修正案でやらざるを得ない厳しい状況」と言及しました(予算・定数との関係で選考通知を行う時期にある)。都労連は、「通告実施と同じではないか。不当な提案だが、労使の信頼関係において協議、解決する立場で真摯に協議してきた。通告実施するともとれる発言は許されない。信頼関係の放棄だ。態度を変えなければ協議は出来ない。」(合意なき選考事務の開始を阻止。)
 9月20日(木)に、事務折衝、戦術会議、拡大事務折衝を実施し、都当局は専門委員会の内容がギリギリの内容で選考手続きを開始せざるを得ないと主張し、都労連は提案の撤回と都労連要求の真摯な検討を求め、各単組書記長による人・勤部長要請を実施しました。

▼新宿本庁舎に勤務する職員の休憩時間に係る新たな取扱いについて(案)
(平成19年9月10日:専門委員会資料)
 新宿本庁舎に勤務する職員のうち、本人から申出があり、かつ公務の運営に支障がないと認められる場合に、原則により取り扱うこととする事由を以下の追加する。
(1)定期的な通院に支障が生じ、職具の心身の健康に重大な影響を及ぼす場合
  以下の要件を全て満たすこと。
・疾病や負傷の療養のため、概ね1月以上の期間にわたり週1回以上の定期的な通院が必要であること。
・休憩時間の改正に伴って終業時刻が遅くなることにより、その通院に支障が生じ、職員の心身の健康に重大な影響を及ぼすと認められること。
・医療機関、通院日及び通院時間の変更により対応することができないこと。
(2)出勤及び退勤時の交通機関を利用ずる時間が30分以上短縮される場合
  以下の要件を全て満たすこと。
・出勤、退勤に要する時間の合計時間が30分以上短縮されること。
・交通機関を利用する時間に限ること。
(3)実施日において、大学(大学院を含む)、短期大学、定時制高等学校に通学しており、カリキュラムの変更ができない場合(平成20年3月31日までの間の措置)。
▼「再雇用制度の見直しについて(修正案)」
 当初提案では、既に退職した者の取扱いとして、一定の要件に該当する13日再雇用職員については「更新なし」とし、19年度末で雇用終了としていた。修正案では、既退職者への配慮とマンパワー確保の観点から、「更新なし」に該当していた者についても、月16日勤務の再雇用に限って任用を可能とする取扱いに変更。この結果、5年間の継続雇用が可能な取扱いとなる。
▼「業務職給料表の見直しの基本的考え方について」
 見直しの方向として、@国の行政職俸給表(二)適用職員や、都内類似の民間企業従業員の給与水準を踏まえ、適正な水準となるよう給料表の再構築を図る、A国や民間企業の動向を踏まえ、年功的な給与の伸びを抑制するため、昇給カーブの一層のフラット化を図る、B職務・職責をより一層反映した給与制度への見直しを図る。


(12)9月21日(金)には、都労連早朝宣伝行動第2波都労連総決起集会、戦術会議、都労連各単組書記長会議が開催され、その後、都労連各単組書記長及び常駐部による人・勤両部長への要請行動が行われました。最終段階で、総務局理事(人事部長)は「本日皆さんから意見をお聞きしたが、私どもとの意見とは相違していますが、ギリギリの状況にきています。この状況を打開するために何ができるのか理事の責任において対応し、事務方を通して返事をしたい。(再検討の時間をかしてほしい。)」として要請行動を終了しました。
 9月22日(土)、23日(日)の両日都労連常駐は待機態勢をとり、都当局の状況打開策の回答を求めました。
 9月23日(日)午後4時30分から専門委員会交渉が開催され、都当局から人事部長の状況の打開策の再検討結果としての「平成19年度再任用・再雇用職員採用選考の実施方法について」が提案され、通告実施は避けられ修正案での選考開始と共に引き続き労使協議を行っていくことになりました。
 このことを受けて、都庁職は、25日(火)に拡大闘争委員会(状況報告)、26日(水)に各支部書記長会議(23日の提案内容を説明)を開催し、現時点の到達状況を確認しました。

▼平成19年度再任用・再雇用職員採用選考の実施方法について
 今年度の再任用・再雇用職員採用選考については、現在、制度改正について都労連と協議中であることから、下記を基本とし実施するものとする。
1.今年度の選考は、平成19年9月12日付「再雇用制度の見直しについて(修正案)」の内容で募集し、実務作業を進める。
2.ただし、最終的な制度改正については、都労連と妥結した時点で、改めて妥結内容を周知徹底し、それに沿った選考ができるよう適切な措置を講ずる。
3.しかし、選考実務上、現時点で再任用申込みを行わなかった者が後日申込みをすることは不可能である。したがって、再任用任用可能職員については、内定後の本人の辞退権も十分尊重したうえで、極力申し込みがなされるよう、職制として、きめ細かなかつ適正な意向確認を行う。


(13)9月26日(水)に都労連拡大執行委員会が開催され、「当面の闘争方針案」等を議論し、2007賃金確定闘争勝利に向けた意思統一を行いました。そして、10月3日に都労連は、都人勧を前にした都人事委員会要請を行い、10月4日には小委員会交渉が開催され、「2007年度人事給与制度改善要求」、「メンタルヘルスケアに関する都労連要求」、「島しょ職員の賃金・労働条件改善要求」、「ガソリン代高騰に伴う通勤手当(交通用具使用者)改善要求」、「公益法人等派遣法づく派遣制度の改善要求」を提出し、当局の真摯な検討と要求実現に向けた努力を強く求めました。
 また、10月10日の小委員会交渉において、都労連は、「都労連要求」提出後の都側の検討状況を質すとともに、@「現業職員の給与制度」、A「人事給与制度」及び「人事考課制度」、B「メンタルヘルスケア」、C「教員の給与制度」について、納得できる説明を強く求めました。

(14)10月12日に東京都人事委員会は、例月給0.07%(309円)引き下げ、特別給0.05月引き上げ等の不当かつ政治的な勧告を行いました。同日、都労連は勧告について、教員の給料表勧告を見送ったことは一定評価できるが、給与の引き下げは、国の人件費削減方針に追従し、代償機関としての役割を放棄した政治的で不当なものであると指摘しました。その上で、@「現業賃金」に対する当局の「基本的考え方」は、現業職が果たしている業務と役割を評価しない賃下げ目的の不当なもので、直ちに撤回すべき、A高齢者雇用制度は、高齢者の生活と働く権利に係る問題であり、労使合意なしの一方的実施は断じて許さない、B勤務時間の短縮は、来年1月実施に向け当局が確定期に判断すべき、C勤勉手当の成績率拡充の前に、人事考課制度を労使協議事項にすべき、と確定交渉の重要課題を強調しました。最後に、今後労働条件に係る交渉が行われるが、一方的に実施する姿勢は断固として容認しない。労使交渉・合意による自主解決を図れと強く要請しました。

<参考>
◎2007年都人事委員会勧告の主な内容
【給与の改定】
 ▽官民給与の比較
1.企業規模50人以上かつ事業所規模50人以上の都内9,541事業所を調査母集団とし、そのうち1,019事業所を無作為抽出して実地調査(調査完了:792事業所調査実人員45,348人)
2.比較の結果
<例月給>(職員平均年齢43.6歳)
民間従業員 職 員 較 差
429,006円 429,315円 △309円(△0.07%)
(注)職員給与は、本年4月の行政職給料表(一)適用者(新卒採用職員を除く)の給与
<特別給>
民間支給割合 職員支給月数
4.51月 4.45月 0.06月
 ▽改定内容
1.行政職給料表(一)・・公民較差相当分について、若年層及び若手管理職層の引下げを抑制するとともに、高齢層の引下げを強める。地域手当の引上げに伴い給料月額を約し1.4%程度引き下げる。その際、若年層及び若手管理職層の改善を図る。⇒昇給カーブのフラット化など給与水準を是正。≪0.0%〜△1.7%平均改定率△1.4%≫
2.初任給・・T類は、国家T種の初任給と同額 179,200円→181,200円(2,000円1.1%)、U類・V類は据置
3.各給料表・・行政職給料表(一)の改定内容を基本として引下げ
4.地域手当・・国の改定内容に合わせ1.5ポイント引上げ、13%→14.5%(平成22年度18%)
5.特別給・・年間支給月数を0.05月分引上げ、勤勉手当0.95月→1.00月(特別給計4.45月→4.50)
【給与構造・制度の改革】
1.基本的な課題
ア.昇給カーブのフラット化、イ.職責を反映した級構成のあり方と管理職の給与、ウ.業績を反映した給与
2.個別の課題
ア.教員の給与(新たな職務の級を含む教育職員給料表について、国の見直し内容等に留意しつつ、都の行政職給料表(一)との対応を基本とする方向で、来年の勧告を目途に検討)
イ.医師の給与(略)
ウ.技能系職員の給与(都としても、国や民間の給与との均衡を図る観点から、その水準を把握しつつ、職務内容や職責等を踏まえ、技能系職員の任用給与制度について見直しが必要)
【人事制度及び勤務時間制度等に関する報告(意見)】
1.今後の人事制度のあり方
ア.今後の人事制度の向かうべき方向(職員一人ひとりの意欲と能力を最大限引き出し、組織活力を最大化する視点から、これまで以上に「個」に着目した取組が重要)
イ.首都東京を担う人材の確保・育成・活用(今後の人事行政においては「首都公務員」にふさわしい高い志を持った人材の確保・育成・活用が大きな課題)
(ア)有為な人材の確保、(イ)人材育成の一層の推進、(ウ)強みを活かす人材登用・人材活用の推進
ウ.公務員制度改革への対応
2.職員の勤務環境の整備等
ア.仕事と子育ての両立支援、イ.超過勤務の縮減、ウ.勤務時間制度(民間平均所定労働時間を「一日7時間40分」「1週38時間29分」と調査結果を報告)、エ.職員の健康保持、オ。服務規律の確保


 10月16日に都労連は小委員会交渉を行い、給与改定交渉期の協議事項を整理しました。
 都労連は、人事委員会の「勧告と報告」について、国・財界の総人件費削減方針に追従し、代償機関としての役割を放棄したものであり、「勧告に基づく給与改定には応じられない」ことを表明し、「2007賃金・労働条件改善に関する要求」等、都労連要求に基づき、改善を図る立場で交渉を行うことを強調しました。その上で、@現業賃金は、勧告対象外であり、都側の主張と軌を一にした比較論のみで「水準引き下げ」を誘導する「意見」は労使交渉への明確な介入で断じて許されない、A特別給における成績率は、勤勉手当を廃止し、全額期末手当にすべきであり、成績率拡大、範囲拡大は認められない、B一日あたりの勤務時間は、来年1月に間に合うよう7時間45分とする改善を求め、C高齢者雇用問題は、法の趣旨、人事院の見解などを踏まえ、定年退職後65歳まで不安を抱かないようにすることが、使用者の責任と義務であること強調し、労使の信頼関係にもとづき、協議を尽くし合意を図ることを求めました。

(15)10月17日に都労連中央委員会、10月22日に都労連組織部長、地区協代表者会議、10月23日に都労連単組代表者会議を開催し、山場の戦術を確認しました。
 その後、一時金要求の都労連団体交渉、小委員会交渉が行われ、都当局は「病気休暇・病気休職制度の見直しについて」「降格時の号給決定方法の見直し」の提案を行い、都労連は「病気休暇・病気休職制度の見直しについて」は、精神疾患を理由にした病気休職者が増大しており、提案は事実上の使い捨てであり提案の撤回を求めました。また、降格時給与決定は不利益を最小限にすることを求め、持ち帰り検討としました。

▼病気休暇・病気休職の見直し提案
@病気休暇(有給期間)の日数を180日から90日に半減する。
A病気休職(上限3年)のうち、有給期間を2年から1年に半減し、1年以内の同一疾病は通算する。
▼降格時の給与決定方式の提案
@従来の「直近下位方式」から、昇格時の「昇格メリット分を戻す」方式に変更する。


 10月29日の小委員会交渉では、都労連は福利厚生事業に関する要求を提出し、都当局は「成績率見直し提案」などを行ってきました。

▼成績率見直し提案の骨子
@成績率の対象者を主任級(教育職員は主幹級)まで拡大。
A最上位、上位、中位、下位の4段階とし、最上位10%、上位30%の者には勤勉手当の加算。
Bこの原資として、対象者全員から勤勉手当の1%+0.05月分(※5%に相当)、及び勤勉手当に含まれる扶養手当分を減額。
C下位はさらに5%を減額。
D最上位と上位の加算額は2:1。
E適用は、2008年6月の一時金から。


 都労連は、10月31日に福祉関連要求実現の対都要請行動、11月1日に専門委員会交渉、島しょ要求実現の対都要請行動を実施し、11月1日の小委員会交渉において、都労連の17要求に対する回答を求め、5日、6日に専門委員会交渉が行われました。
 11月6日に都労連は、現業賃金・給与制度改善要求実現:対都要請行動を行い、11月2日の都庁職定期大会において、都庁職は2007賃金闘争勝利をめざし全力で闘いぬくことを大会の総意で確認しました。
 11月7日の小委員会交渉では、「医師の処遇改善策:初任給調整手当に係る見直し案」の提案などがあり、都労連はこの間の改悪案に対して全面的な反論を行いました。
 都庁職は、同日都庁職拡大闘争委員会を開催し、総務局要請を実施しました。
 そして、11月8日に、成績率見直し提案撤回、人事給与制度改善要求実現の対都要請行動、11月9日には、第5波総決起集会、再雇用制度見直し修正案撤回、高齢者雇用制度要求実現の対都要請行動を行い改悪提案の撤回を強く求めました。

(16)11月10日(土)、11日(日)の両日、都労連・都庁職は、待機体制をとり事務折衝を行い、11日15時から専門委員会交渉(14日集会の許可問題で抗議等)、15時30分から小委員会交渉、16時30分から各単組書記長会議が行なわれ、都当局に交渉態度を改めることや要請行動を踏まえた回答を行うよう再度事務折衝が行われました。12日(月)、13日(火)と事務折衝を行い、13日午前中には常駐部による人事部長・勤労部長要請、午後には、各単組書記長による人事部長・勤労部長要請、常駐部による総務局長要請が行われました。11月14日(水)には、9時30分から都労連常駐部と各単組委員長による総務局長要請、14時00分から副知事要請を実施しました。都労連は、労使協議、労使合意の立場を堅持すると共に都当局の挑発的な行為を排し前段行動を今回は中止しました。そして、理路整然に第6波総決起集会を開催し都当局への怒りと抗議を表明し要求実現の決意を全体で確認しました。
 20時すぎに都労連委員長に対して、総務局長から検討案の提示があり、戦術委員会や単組代表者会議を断続的に開催し、15日1時40分から最終段階での常駐部と単組委員長による最終の総務局長要請が行われ、総務局長からは副知事と相談したギリギリの最終案が都労連に示され、都労連としては組織として残念な結果となり諸般の実情を含め判断し、ストライキを中止し各単組に「妥結」批准を求めました。

3.主な妥結内容
■2007年給与改定
○人事委員会勧告で示された例月給の改定については、平成20(2008)年1月1日から実施し、「所要の調整」は昨年同様に三月期の期末手当において実施する。
■2007年末一時金
○特別給については、勤勉手当の年間支給月数を0.05月分を引き上げて、1.00月分とする。この増額分は今年度は三月期に0.05月分を支給し、来年度以降は、6月・12月期の支給月数をそれぞれ0.025月分引き上げる。
○年末一時金は現行条例・規則どおり、期末手当を1.65月、勤勉手当を0.475月、合計2.125月分(再任用職員については、期末手当0.95月、勤勉手当0.275月、合計1.225月)を12月10日に支給する。
■成績率
○上位者40%程度の決定に当たり、所属課長推薦(30%程度)を導入
○適用対象を次席まで拡大する。
・主任級以下、技能主任級以上、主幹、小中学校事務職員等は、現行どおり適用対象外
○最上位・上位の人員分布及び加算額を拡大するため、原資を確保
・0.02月及び扶養手当相当分を原資として活用
・1%拠出(中位以上)は廃止。(下位は6%減額)
○実施時期は平成20年6月
■地域手当の特例措置の取り扱い
○都外公署の地域手当(〜平成19年12月31日:13%)
・平成20年1月1日〜3月31日:14.5%⇒4月1日〜:13.5%
○地域手当支給割合の小数点改定に対応した特例措置を見直し
(14%:2.8%、15%:3.8%)
・区部・多摩→島しょへの異動14.5%:3.3%(実施時期平成20年1月1日)
・都外公署→島しょへの異動13.5%:3.0%(実施時期平成20年4月1日)
■病気休暇・病気休職
○有給期間の見直しは、平成20年4月以降、新たに病気休暇・休職に入る職員に適用
○休職期間の通算規定の見直しは平成20年4月以降の休職期間について対象とする。
○病気休暇の時間単位取得の対象拡大〔都労連要求
・C型肝炎及びB型肝炎のインターフェロン投与
・がんの抗がん剤及び放射線治療
○実施時期は平成20年4月1日
■勤務軽減
○病気休暇(引き続く30日以上)後の勤務軽減の新設(30日以内、1日2時間限度)
○実施時期は平成20年4月1日〔都労連要求
■メンタルヘルス対策
○精神保健相談員の増員と職場訪問指導の強化など充実を図る。〔都労連要求
○若手職員に対する心の診断等の検討〔都労連要求
■現業系人事給与制度
○現行の作成方針により、給料表作成する。
○現業系職員の給料表の水準及び任用給与制度のあり方については、級格付廃止にいたった交渉経過も踏まえつつ、平成20年度給与改定交渉期までに結論が得られるように引き続き協議。
■育児短時間勤務
○第一定例議会での条例改正に向け、年内に解決を図るよう引き続き協議する。
■通勤手当
○交通用具使用者の通勤不便区分(島しょ)及び身体障害者区分について、手当額を引上げ〔都労連要求
○実施時期は平成20年4月1日
■子どもの看護休暇
○看護の対象となる子の範囲を小学校3年生まで拡大〔都労連要求
○実施時期は平成20年1月1日
■メーデー職免
○引き続き協議とする。
■再任用・再雇用制度
○既退職職員の生活設計等に配慮し、経過措置を実施する。(平成20・21年度のみ)
@17・18年度末定年退職:再任用満了前の期間は再任用のみ⇒16日再雇用可
(制度選択は、19年度選考の一回のみ可)
A勧奨退職で61歳以上:再任用満了前の期間は再任用のみ⇒16日再雇用可
(制度選択は、年度末60歳の選考時の一回のみ可)
B現に13日再雇用である者のうち、「真にやむを得ない事由のある者(再任用又は16日再雇用での勤務が事実上不可能な者)に限り、13日再雇用を可とする。(制度選択は、19年度選考の1回のみ可)〔都労連要求
○再任用満了時(再雇用への切替時)の配置を見直し〔都労連要求
・再任用時と同一「課」への配置不可⇒配置可
○再任用短時間職員の週休日決定方法を見直し〔都労連要求
・週休日:年間固定方式⇒職務上の必要に応じ月単位での変更可
〇高齢職員の専門的能力をより活用する観点から、非常勤制度の拡充する。
・公募を原則としつつ、都OBも活用
・教員については、時間講師に加えて、新たに日勤講師(月16日勤務)を設置
○制度改正時の円滑な移行のため、選考実務上一定の配慮〔都労連要求
○再雇用職員(月16日勤務)の年次有給休暇の改善〔都労連要求

勤務年数 0年 1年 2年 3年 4年
現行(16日) 7日 8日 9日 10日 12日
改正案 10日 11日 12日 14日 16日

※専務的非常勤職員についても再雇用職員に準じた取扱いとする。

○あわせて、再任用職員の配置にあたっても、本人の能力、適正、意向を踏まえ、適切に行う。
○高齢期の継続雇用制度のあり方について引き続き協議。
■昇給制度
○仕事と子育ての両立を支援する観点から、昇給基準を見直し〔都労連要求
欠勤等の日数に基づく昇給決定において、
@育児休業:1日取得につき1/3日を欠勤等扱い⇒欠勤等扱いせず
A部分休業:8時間取得につき1/3日を欠勤等扱い⇒欠勤等扱いせず
・@、Aともに、平成19年8月1日に遡及して適用する。
■退職手当制度
○地域手当支給割合の小数点改定に対応して、調整額単価を見直し〔都労連要求
・整数単位改定に合わせて改定(14%:330円・15%495円)
⇒小数点改定に対応して改定(14.5%:415円)
・平成20年1月1日実施
○仕事と子育ての両立を支援する観点から、除算割合を見直し〔都労連要求
・育児休業取得期間に係る除算割合の改善:
子が1歳未満1/3、それ以後の期間1/2⇒全期間1/3
・平成20年4月1日以降の退職者に適用する。

4.都庁職の見解と態度
(1)給与改定に関しては、2007年民間春闘結果や国の人事院勧告などの結果から首都東京(大都市東京)に相応しい賃金の引き上げが妥当であるにもかかわらず、不当かつ政治的な都人事委員会のマイナス勧告が行われ、国や都に追随した都人事委員会勧告を糾弾してきたところです。今回の給与改定結果は、国及び都の公務員賃金引下げ攻撃を露骨に反映したものであり、容認できるものではありません。都当局の不当な賃金切り下げ攻撃を跳ね返し、引き続きその怒りを結集し、首都東京(大都市東京)に相応しい賃金引き上げの取り組みに連動させていきます。
(2)現業賃金・任用制度問題については、都当局は最後まで新給料表の提案に固執しましたが、これを跳ね返し現業給料表を従来方式で作成させることができました。
 しかし、現業系人事制度(級格付廃止に伴う任用制度確立問題)は、今給与改定期までに解決することとなっており、職能に基づく任用制度の確立を求めてきました。しかし、次期給与改定期までの引き続き協議となり、不満が残る結果となりました。現業賃金切り下げ攻撃との関係もあり、引き続き取り組みを強化していかなければなりません。
(3)成績率問題については、当初提案の主任級職までの対象拡大を、「次席」まで押し返しました。しかし、その原資に関して、一時金の0.02月や扶養手当などを拠出することとなり、マイナス月例給や一時金0.05月増の勧告状況を踏まえると拠出する原資が増えることは納得できるものではありません。
 また、40%のうち30%を所属課長推薦としましたが、業績評価に対する不信感が高い中で大いに問題があり、差別・選別の拡大は許しがたいものです。
 成績率の拡大問題など人事考課制度の弊害は民間や公務の職場で顕著となっており、職場のチームワークやモチベーション低下などの問題点が指摘されており、職場に差別と分断を持ち込む人事管理強化施策に反対し、今後の人事考課制度意見交換会での取り組みの中で問題点の解決を図っていかなければなりません。公正・公平・納得・透明性のある人事考課制度と苦情処理制度の確立と労使交渉事項とすることを求めて都労連に結集し取り組んでいきます。
(4)再雇用制度に関しては、都労連として最後まで、「13日再雇用制度」の存続を求めて対応してきましたが、「17・18年度末定年退職」と「勧奨退職で61歳以上」について、平成20・21年度に限り「16日再雇用」が可能という経過措置が設けられました。
 また都労連要求の「再任用満了時の同一『課』配置可能」や「再任用短時間職員の月単位での週休日決定」を引き出すことができました。
 しかし、「13日再雇用制度」を基本的に存続させることはできませんでしたが、引き続き「再度の意向調査」において遺漏のないよう求めていくとともに、今後「13日再雇用制度」や短時間再任用制度などの高齢者雇用制度の充実と制度確立に向けて取り組みを強化していきます。
(5)病気休暇・病気休職に関しては、改悪提案の適用を平成20(2008)年4月以降から取得する職員としましたが、全面的に撤回できませんでした。病気休暇の取得原因として「メンタルヘルス」を主原因する職員が増大しており、都当局の理不尽な対応を糾弾すると共に長時間労働、恒常的な超過勤務の解消や勤務時間の縮減の取り組みと合わせて対応していくことが重要な課題となっています。
 今回、休息・休憩時間問題で、労働時間短縮が大きな課題となりましたが、結果として次年度の重要課題と位置づけて取り組むことが求められています。
(6)今回、交通用具使用者の通勤不便区分として島しょ及び都外施設の通勤不便や身体障害者区分を含めて通勤手当の改善を勝ち取ることができました。しかし、島しょ関連等の要求に関して、特に地域手当が増額すると給与本体が減少するという問題解決が強く求められており、実現を図ることはできませんでした。今後とも引き続き取り組みを強化し、島しょ関連等の要求実現の取組みを強化していきます。
(7)都労連が要求していた@病気休暇の時間単位の取得対象の拡大、A病気休暇(引き続き30日以上)後の勤務軽減の新設(30日以内、1日2時間)、Bメンタルヘルス対策としての精神保健相談員の増員や職場訪問指導の強化、若手職員への心の診断等の検討、C子どもの看護休暇の対象範囲を「小学校3年生まで拡大」、D昇給制度の昇給基準に関した欠勤等の昇給決定の改善として、育児休業(1日取得につき1/3)と部分休業(8時間取得につき1/3日)を欠勤等扱いとしないこと、E退職手当制度に関して、地域手当支給割合の小数点改定に伴う調整額単価の見直し、育児休業取得期間に係る除算割合の見直しなど一定の前進を勝ち取ることができました。
 また、産科医員の初任給調整手当の改善を図ることができましたが、引き続き職場要求を踏まえてその対象範囲の拡大をめざして取り組んでいきます。
(8)都労連は、11月15日の2時間ストライキを背景に、ストライキ突入直前まで、委員長と総務局長会談、常駐部と単組委員長による総務局長要請を実施し、@再雇用制度の存続、A現業給与任用制度の確立を重点課題として、最終段階での決着を目指して奮闘してきました。
 結果としては、再雇用制度・病気休暇・病気休職・成績率の改悪提案阻止、現業系人事制度の確立(引き続き協議)を図ることはできませんでしたが、都当局の当初提案を一部押し返し、制度改善を図ることができた成果もありました。国の「2007骨太方針」に基づく総人件費削減攻撃、意図的な公務員バッシングや都当局の労働組合敵視の政策に反対して、引き続き組織の総力を挙げて取り組みを強化していかなければなりません。
 今回の到達点に関して多くの組合員が不満を感じざるを得ない結果となりましたが、都労連指令に基づくステッカー闘争、早朝宣伝行動、署名活動等を積み重ねました。さらに最終局面における数回の対都要請行動において、各職場からの訴えや要求の一部を実現することができました。今後総括運動を行うと共に引き続く2008年度予算・人員要求闘争など今後の都庁職の闘いにその教訓点を生かして取り組む決意を表明し、都労連の「妥結」提案を受け入れていくこととします。

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