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令和8年人事委員会勧告等の概要
1 ポイント
○例月給、特別給ともに5年連続の引上げ改定
【例月給】
・公民較差(14,209円、3.30%)解消のため、給料表を職級によりメリハリをつけた上で全級全号給引上げ改定
・管理職について、全体の平均改定率以上の引上げ
・人材確保の観点から、初任給を全ての区分で引上げ
【特別給(賞与)】
・年間支給月数を0.10月分(4.90月→5.00月)引上げ
2 職員と民間従業員の給与比較
(1)比較の方法
・企業規模100人以上、かつ、事業所規模50人以上の都内9,885事業所を調査母集団とし、そのうち1,143事業所を無作為抽出して調査
(調査完了685事業所調査実人員61,108人)
| 〈例月給〉 | 職員と民間従業員の4月分支給額を調査し、ラスパイレス方式により、主な給与決定要素である役職、学歴、年齢を同じくする者同士の給与を対比させ、職員の人員数のウエイトを用いて両者の給与水準を比較 |
| 〈特別給〉 | 民間従業員に対する直近1年間(昨年8月から本年7月まで)の賞与の支給実績を調査し、職員と比較 |
(2)比較の結果
| 〈例月給〉 | (平均年齢40.9歳) |
| 民 間 従 業 員 | 職 員 | 公 民 較 差 |
| 445,378円 | 431,169円 | 14,209円(3.30%) |
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(注)職員給与は、本年4月の行政職給料表(一)適用者(新規学卒採用職員を除く。)の給与
| 〈特別給〉 | |
| 民 間 支 給 割 合 | 職 員 支 給 月 数 | 差 |
| 5.00月 | 4.90月 | 0.10月 |
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3 給与の改定
(1)改定の考え方
・民間従業員の給与が職員の給与を上回っていることから、給料表を引上げ改定配分[給料11,815円、はね返り(地域手当など)2,394円]
・特別給についても、民間の支給割合が職員の年間支給月数を上回るため引上げ
(2)改定の内容
ア 給料表
| 区 分 | 内 容 |
行政職給料表 (一) |
・職務・職責差を給与へ一層反映させる観点から、管理職について、全号給平均改定率以上の引上げ
・業務遂行において重要な役割を担う中堅層職員について、昇任インセンティブ向上の観点から、上位職昇任の実態等を踏まえ、一定号給まで平均改定率を超える引上げ
・給料表全体の平均改定率 3.5%
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・初任給は人材確保の観点から、引上げ
�T類B +9,500円(242,000円→251,500円)
�U類 +9,500円(213,800円→223,300円)
�V類 +9,500円(200,300円→209,800円)
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※その他の給料表については、行政職給料表(一)の改定内容を基本として改定
※指定職給料表については、国に準じて改定
イ 再任用職員の基準給料月額
・国の改定方法を踏まえ、民間のフルタイム勤務再雇用者の給与水準を勘案し、原則、近年の改定の考え方による改定率を上回る引上げ
ウ 特別給
・民間の支給状況を踏まえ、年間支給月数を0.10月分引上げ(指定職給料表適用職員等は0.05月分引上げ)
・引上げは期末手当及び勤勉手当で実施
エ 初任給調整手当
・医師の処遇確保の観点から初任給調整手当の支給限度額を338,300円に引上げ
(3)実施時期
・給料表及び初任給調整手当の引上げは、令和8年4月に遡及して実施
・特別給の引上げは、令和8年12月支給の期末・勤勉手当から実施
4 人材確保・定着に資する処遇の改善
(1)福祉人材及び技術人材の給料の調整額
・児童相談所において児童虐待事案等の困難案件の対応方針決定に関与する主要な課長代理及び高い専門性に基づき建築物の法令等への適合性の審査を行う建築主事については、職務の複雑性・困難性・責任の度合いにおいて著しい特殊性
・これらの職務の特殊性を評価し、人材の確保・定着に向けた適切な処遇について検討する必要
(2)教育職員等に係る給料の調整額
・国が給料の調整額の見直しを進める一方、特別支援教育に携わる教員の職務の困難性は依然高く、人材確保を巡る状況も厳しいことを踏まえ、現行水準の維持も含めた適切な対応について検討する必要
(3)第二種初任給調整手当
・国において月例給与水準が最低賃金を下回る場合に差額を補填するため新設した第二種初任給調整手当について、都において、最低賃金の上昇傾向や制度の趣旨を踏まえ、人材確保の観点から新設する必要
5 その他の手当等について
(1)転居に関する手当
・人事院は、転居を伴う異動に係る経済的負担軽減と円滑な人事管理に資するため、転居に関する手当の新設について勧告
・国における法改正等の動向を注視し、人材の確保・定着や円滑な人事配置といった観点から、適切な対応について検討する必要
(2)会計年度任用職員の報酬
・会計年度任用職員への扶養手当及び住居手当に相当する報酬の支給について、国における見直しの趣旨を踏まえ、処遇の在り方について検討する必要
6 今後の課題
(1)職務給の更なる進展等
・今後も、職務・職責の給与への反映を徹底するため、給料表の水準・構造や昇給制度等について、都の実態に即した見直しに取り組むとともに、人材獲得の競争力を高める観点から、必要な給与の改善を推進
(2)国の新たな給与体系検討を踏まえた対応
・人事院は、本府省幹部職員等について、職務・職責を一層重視した新たな給与体系の実現に向け、俸給表の新設、業績等手当の新設など、措置の骨格を提示。今後、令和9年夏に具体的な措置内容を報告できるよう検討を加速する旨、言及
・人事院が示した措置は、公務員給与制度の在り方に大きな影響を及ぼすもの。今後、国の動向を注視し、職務・職責・能力・業績の給与への反映を徹底する観点から、都の給与制度の在り方について研究・検討を深めていく必要
(3)定年の段階的引上げを見据えた給与制度の検討
・人事院は、60歳前後の給与水準について、近年の民間の動向を踏まえ、年齢に関わらず職務上の役割・能力・実績をより反映した処遇を目指し、シニア職員の人事管理に関連する制度と一体的に検討を進めていく必要がある旨、言及
・都においても、国の検討状況や民間の動向を注視し、都の任用実態等を踏まえ、65歳定年の完成を見据えた給与制度の在り方について、引き続き研究・検討
7 人事制度及び勤務環境等に関する報告(意見)
(1)人材の確保・育成に向けた取組
ア 多様で有為な人材の確保
・テストセンター方式の活用や試験時期の早期化等の様々な見直しにより、�T類B採用試験の受験者数が増加するなど明るい兆し。今後、取組の効果を経年で評価・分析し、検証を進め、各採用区分等も必要に応じて見直し
・人材確保が特に深刻な技術系職員については、受験しやすい制度への見直しや、PRの充実等に取り組んでいる。大学生・経験者対象の取組のほか、高校新卒者についても、志望者確保につながる採用の仕組みを検討
・「選ばれる都庁」を目指し、やりがいや学び、挑戦・成長できる環境のほか、キャリア展望、勤務環境、リアルな職場の雰囲気等を、イベントやSNS等を活用して積極的に発信
イ 都職員としてのキャリアを描き、成長できる環境づくり
・職員が主体的に学び、強みや専門性を伸長できるよう、成長を支える環境整備と配置に努めることが重要。さらに、民間企業等で培った職務経験や専門性が昇任等の任用面で十分に反映される仕組みについて検討
・管理職選考の受験率は近年低い水準で推移。研修等の充実や、働きやすい環境整備を進めるとともに、管理職の魅力発信や、職務・職責に見合う処遇の確保が重要。あわせて、管理職選考制度全体の在り方についても具体的に検討
(2)誰もが活躍できる環境づくり
ア 女性の活躍推進
・女性活躍推進条例の施行を踏まえ、都庁自ら率先して女性が活躍できる環境づくりに取り組むべく、昇任猶予制度の導入や機運醸成の取組等により、管理職選考における女性の受験率増加など、一定の成果
・女性管理職の割合30%達成(2035年)に向け、長時間労働是正や柔軟な働き方促進など、勤務環境整備に加え、女性職員が自信を深められるよう、早い段階から幅広く有益な経験を培える配置に努めるなど、人事マネジメントの充実が重要
イ 高齢層職員の活躍推進
・令和13年度の定年引上げ完成を見据え、国の動向を注視し、高齢層職員がモチベーションを維持しつつ能力を発揮できる任用・配置の在り方の検証と環境整備が必要
ウ 多様な個性や事情をもつ職員の活躍推進
・障害者及び難病患者を対象とする�V類採用選考において、受験上の配慮を実施。採用後も、ハード・ソフト両面の環境整備と、職場全体の理解促進に向けた取組を進める必要
(3)働き方改革と勤務環境の整備
ア ライフ・ワーク・バランスの推進
・職員が、希望する期間、安心して柔軟な働き方を選択できるよう、制度の周知・利用促進と職場風土の醸成を一層進める必要。介護支援制度の定着と活用を促進し、介護を理由とする離職防止につなげていくことが必要
・人事院は、取得事由を問わず年間7日取得できる無給休暇の新設について勧告。都においても国の制度導入の趣旨等を踏まえ、必要な対応を検討する必要
・超過勤務の縮減を着実に進めるため、BPRの徹底やAXの推進による業務改革を通じて生産性の向上を図り、超過勤務の上限時間を超えた職場においては、実効性のある改善策を講じることを要請
・学校における働き方改革については、東京都教育委員会設置の有識者会議において、外部人材の活用を含む業務の在り方の見直しや、マネジメント機能強化等が検討されており、改革の一層の推進を期待
イ 健康で安心して働くことができる職場づくり
・オープン&フラットな職場は、メンタルヘルスケアやハラスメント防止のほか、人材確保や離職防止にも有効。所属や職層を超えて自由かつ率直に意見を交わせる職場風土の醸成が必要
・ハラスメント防止対策の徹底と、組織として職員を守る毅然とした対応が必要。カスタマー・ハラスメントについては、対応マニュアルの活用など各職場への支援のほか、職員アンケート結果も検証しつつ取組を推進することを期待
・心の不調による休職者が多い現状を踏まえ、未然防止から復帰支援までの取組を着実に実施するとともに、休職者に対しては、再発予防の支援が重要
(4)公務の適正な遂行及び都民の信頼の確保
・都民の信頼を確保する上で、前例にとらわれず法令の趣旨等を十分に理解した適正な職務遂行と、事故や懸念に気づいた場合に一体となって即時に対応できる職場風土の醸成など、組織ガバナンスの実効性を一層高める必要
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