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伊ヶ谷地区海上より見る三宅島
伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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都庁職新聞
 
職場はいま 各支部リレー〈15〉

 

現場の技術継承と人材確保が重大な局面に
小笠原支庁 小笠原支部

 

入港日のスーパー買い出しの様子

 小笠原は、東京湾より南に約千キロの位置にある絶海の海洋島です。島へのアクセスは、飛行場がないために、片道25時間半の定期便おがさわら丸が中心となっています。

 

自然との共生など特有の困難を抱えて職務を遂行

 

 おがさわら丸は、生活物資や食料品を運び、内地との往来を担っていますが、観光シーズン以外は、大体6日に1便しか入港しません。このため、生活は、高物価、商品の選択の幅が少ない、専門医療の受診が困難などの事情に加えて、定期便の船の運行に左右されるという小笠原特有の事情があります。内地での急な冠婚葬祭に対応できないだけでなく、土日にも、台風襲来に備えての養生作業や被害調査、出張者対応などを行っています。また、出張や休暇で内地に行く場合も土日では収まらず、気軽に日程を決められないことから、事前に十分調整して、年に数回に限られるという実態があります。
 病気や怪我の緊急搬送は、硫黄島経由または、入間基地などから飛行艇となり、生命にかかわる搬送では、手遅れになる危険が高くあります。このように、様々な困難性を抱えながら職務を遂行しています。

 

密漁警戒などでは日々命がけの業務に従事

 

台風通過後の倒木処理作業

 小笠原支庁は定数93名。父島には、総務課、産業課、土木課、港湾課があり、母島に出張所があります。また、島しょ保健所の出張所があります。
 小笠原は、平均気温約23度の常夏の島で、独立した海洋島として、貴重な生態系から東洋のガラパゴスと言われ、多く貴重な固有種が存在し、2011年に世界自然遺産となりました。
 土木課では、世界自然遺産のもとで、生態系を保全し、固有種を守るため、侵略的な外来種の侵入拡散予防、環境配慮事項の徹底、モニタリング調査、エコツーリズムの推進等、環境省、小笠原村などと連携して取組んでいます。自然公園係や非常勤の都レンジャーが最前線に立って業務を担い、自然と共生した島の暮らしと産業と調和に向けて日々奮闘しています。
 産業課には、試験研究や普及指導機関である亜熱帯農業センター、水産センター、畜産指導所、営農研修所があります。これらの業務を縁の下で支える研究補助や施設の維持管理を担っているのが、島を良く知る現地の現業職員や非常勤職員です。しかし、現状では、現業職員定数7名のうち、再任用が5名で、残りの2名も50代と40代で、現場の技術継承と人材確保が重大な局面になっています。また、水産センターの試験研究船興洋は、船員など8名が、密漁警戒や沖ノ鳥島関連事業など含め、広範囲なエリアで命がけの業務を日々おこなっていますが、船長をはじめとして処遇が業務に見合ったものではなく、処遇改善が重要な課題です。

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