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伊ヶ谷地区海上より見る三宅島
伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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都庁職新聞
  職場はいま 検証〈5〉

都民の安全を守るため経験と知識の継承を!
                       病院支部 健康安全研究センター

横山分会長
横山分会長
 霧雨が降る6月下旬、新宿区百人町の「東京都健康安全研究センター」(以下、研究センター)を訪ねました。
 3月11日の大震災、福島第一原発事故から、都内の環境放射線測定結果がホームページで毎日発表されています。研究センター(旧衛生研究所)では、1991年から国の委託業務で地上18mにモニタリングポストを設置し測定を実施してきました。健康安全研究センターの放射能調査の歴史は古く、1975年から水道水や野菜の放射能測定を行っています。
 大震災以後、24時間体制で1時間ごとの測定報告を行っていましたが、システムを緊急に整備し、5月からは自動化されました。5月30日からは、地上1m地点の測定を環境保健部職員が当番体制で毎日実施しています。ラジウム線源を用いた精度確認作業もあり、都民へ適確な情報を伝え、危機に対して適切に対応するための緊張を伴う業務の取材となりました。
放射線測定
放射線測定
 研究センターは、平成24年度から「健康危機管理センター(仮称)」として組織体制を整備する計画が進められています。老朽化し分散している建物の解体及び新棟建設に併せて、組織の統廃合、再編や一部委託化も検討されています。

人材育成が火急

 放射線測定取材の後、横山分会長から、現状と今後の体制における問題を伺いました。
放射線測定もこれまで長年測定してきた数値が基礎となって、「非常時」との比較が可能です。原発事故収束後も10年では済まない継続した対応が必要です。
 しかし、原発事故対応も含めて、現状は人員不足であり、当局は6月半ばに専務的非常勤職員(研究補助)5名を募集しています。長期的視点で正規職員を増員配置すべきと横山分会長は訴えます。
 また、人材育成が火急の課題であり、約220人の職員中60人を超える再任用・再雇用職員と19名もの専務的非常勤職員が業務を支えており、次世代の人材を確保しなければ知識と経験が継承できない状態とのことです。
 行政からの依頼による試験検査は、O157や新型インフルエンザなど緊急を要するものが多く、事件や事故対応も知識と経験が命を救い解決を早めます。それには、地道な研究、試験方法の開発が、緊急時に即対応できる体制づくりに欠かせません。現状は、行政等の依頼による試験検査が8割の比重を占め、調査研究に時間を割けないと危機感を話されました。「危機管理センター」も名ばかりで魂入れずでは、都民の健康は守れない、費用対効果では計れない行政の役割がある、何よりも人材育成・確保が急務だと強調されました。
 新型薬物や新型感染、そして原発事故、命を守るための行政の任務と責任を果たす都政への転換を切実に感じました。

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