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伊ヶ谷地区海上より見る三宅島
伊ヶ谷地区海上より見る三宅島 撮影2003年4月10日三宅支庁提供
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都庁職新聞
 

こんな職場、こんな仕事(第43回)

生鮮食料品の市場流通機能を支える
中央市場支部 築地市場設備課ろ過室


左より焼貝さん、野木さん、中村さん、秋元さん
左より焼貝さん、野木さん、中村さん、秋元さん
ろ過室隣接の沈殿槽
ろ過室隣接の沈殿槽
 暖かな5月31日に大江戸線築地市場駅を降りて、中央市場の築地市場のなかの設備課設備係ろ過室を職場訪問しました。ろ過室3階にある仮眠室で、さっそく中村さん、焼貝さん、秋元さん、鈴木さん、野木さんからお話を伺いました。設備係(ろ過室)は現業職員が6人、再雇用2人で、24時間勤務で対応しています。泊まり勤務は2人体制で8時15分から翌朝9時までの一昼夜(16時間勤務)となっています。朝4時30分にはポンプの点検を始めて、5時前には隅田川から取水している海水をろ過し場内に送っています。仲卸業者は朝の5時からはじめているので、5時から送水です。卸業者は魚の入荷など夜から動いているので、21時30分から卸売場には送水しています。隅田川の河口から引いている水量は1日3500立方メートルであり、床洗浄等に利用されています。次亜塩素酸ソーダーを注入して滅菌し場内に送水しています。水質に関して滅菌の施設の維持管理には気を使っています。残留塩素は毎日朝晩2回検査しています。水の値段は上水の半分以下で、場内業者から喜ばれています。

 

あらゆる苦情相談に対応して市場を支える

海水を揚水するポンプ
海水を揚水するポンプ
残留塩素を朝晩検査
残留塩素を朝晩検査
砂でろ過するろ過池
砂でろ過するろ過池
何でも屋の補修用材料
何でも屋の補修用材料
 常時、昼間は4人弱で苦情等の対応に追われています。苦情の中身は給排水、道路、建築物、下水、ガス、冷暖房、雨漏り、屋根材が落ちないようになど、あらゆる事に対応しており、何でも屋です。売場に送水する配管が露出しており、鉄管の腐食が激しく施設はかなり痛んでいます。2年前までは予算がつけられていたのですが、豊洲移転が決まってからは大きな予算が付かない状況になっています。苦情は電話で設備係に寄せられ、24時間電話があり夜中でも対応しています。夜中トラブルが起きると2人で対応しています。夜中に入荷し、荷分け作業でぶつかって配管に傷が付いて水漏れ等が起きたりしています。夜中の場合には配管の処理が出来ないので、近くのバルブを締めて水漏れを止める応急措置を施しています。夜勤は月7回もあります。昔から勤務状態は変わっていませんが、定数は退職不補充で減らされています。しかも施設は老朽化しているので苦情の件数が減ることはありません。いろいろな苦情に伴う補修は年間1200件にのぼります。

4万人の動きの中の苦情対応は体で覚えるのみ

 現業の数が減って休暇が取りにくくなっています。泊まりは2人でスペアが少ないので突発的なことが起きると大変です。他の職場から異動で市場へ来ると広いので簡単には覚えられません。市場の中の名前を覚えるのが大変です。場内の地図をもらっても呼び方が違うことがあります。業界の方は建物についてもちがう呼び方をするので、苦情の電話をもらっても頭に入っていないとどこだかわからなくなってしまいます。仲卸業者は水産・青果で約920業者が入っており、すしや・食堂などの関連業者を含めると23万平方メートルの市場の敷地の中で3万〜4万人が動いています。最近はグルメブームで観光客も大変多くなっています。苦情電話への対応のノウハウは体で覚えるしかなく、自分で対応すれば覚えられますが、そのときにいなければ覚えられないままになります。

移転は業者4割が反対、豊洲にも、ろ過室を

 今まで築地市場は現在地での再整備計画があって整備をすすめていく予定でしたが、急に豊洲移転が決定しました。豊洲移転については水産仲卸業者800のうち4割ぐらいが反対しています。反対している関連業者も少なくないと聞いています。豊洲ではろ過海水造成施設はつくらないと決められています。PFIで市場が整備されれば職場がなくなってしまうことも懸念されます。現場の4人はあと20年も働かなければなりません。豊洲に移転して職場があるのかどうか。そこが一番心配です。
 最後に海水を取水しているポンプと沈殿槽、濾過池、送水ポンプ、塩素点検蛇口、さまざまな補修のための工具類などを見せていただき、職場を後にしました。

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